薬学生のサイクルブログ

とある薬学生がのんびり気ままに書くブログ

コラム 「学生よ、本を読め!」

ここ数ヶ月、大学の試験対策のために国試の過去問をよく解く。問題を解いていてよく感じるのだが、読解力があれば多少の知識不足があれど正解にたどり着く問題が多い。薬理や病態が絡んでくるとこの傾向が強い様に感じる。

ここでふとある言葉を思い出す。

「本を沢山読みなさい。」

入学直後か一年次の講義で弊学部のド変態教授が発した言葉だ。

この発言には続きがあって、「国試の合格率が低いのは読解力が低いからであって、それを養うために本を読みなさい。学年が上がると読む時間もなくなるから、今のうちに本を読んでおきなさい。近頃の学生は本を全く読まない。」(意訳)と仰っていた。

今思うに、このアドバイスは的を射ている。文章を読み解けば正解へとたどり着く問題が少なからずあるからだ。時間を忘れて本を読みふけることも学年が上がるにつれて難しくなっている。

 

近頃、自分自身の読解力低下を強く感じる。理解力が下がったというのではない。文章を読み解く体力が衰えてきた。読む体力がないが故に読み飛ばして理解が出来ない。このような状態に陥っている。読み飛ばしてしまうので、重要な点を見逃し、解ける問題であっても間違える。非常に惜しいことだ。

なぜこうなったのだろうと考えを巡らす。思慮した結果、Twitterに入り浸ってからこうなったのではなかろうかと。素人目ではあるが。高校卒業を機にTwitterを始め、その魅力に魅入られた今ではすっかり沼の住民である。そうするとひと続きの文章を長い時間読むという経験が薄れる。そして読む体力も衰えていったのだろう。そういった意味でも変態教授の「本を読め」アドバイスは理にかなってる。だから本を読むように心がけている。

 

ド変態教授が仰る通り「近頃の学生は本を読まない」というのは本当だ。かくいう私も読む方ではない。レーシングオンやオートスポーツなどの雑誌や気まぐれで出会った新書を月に1冊程度しか読まない。だが多読家ではない自分であっても「よく本を読んでるね」と言われる程に本を読まない人は多い。「文章を見ると頭痛がして本が読めない。けど漫画なら読める。」って子もいる。そして大学図書館は本を読む場所ではなく、学習の場として認識されている。故に弊キャンパスの蔵書の層の薄さを嘆いても共感してもらえない。

私は”本は実店舗で買え”主義者である。だが、本を読まない人から「本はAmazonとか通販で買えばいいやん」と言われることがある。これは自らの世界を狭める勿体ない行ないだと思っている。本をAmazonとか通販で買うと表紙やタイトルを見ての衝動買いがほぼなくなる。つまりはタイトルを見て心がときめき、恋に落ちるような本との出会いもなくなってしまうのである。恋に落ちるような本との出逢いは自らの世界を拡げるキッカケとなる場合もある。私の道路趣味も始まりは本屋でたまたま目に入った『ふしぎな国道と』いう一冊の新書からだった。それをなくすと自らの世界が広がるキッカケも失ってしまう。これでは自分の殻に閉じこもってるようで、刺激がなくつまらない。

蔵書の層の薄さを嘆くのもこれが理由だ。層が薄いと必然的にそのような出逢いも少なくなってしまう。

先日、図書館で2冊の本と出会った。たまたま目に入ったタイトルが面白そうだったので借りて読み切った。「ほう、こういう考えもあるのだな」と新たな知見を得た。俗に言う自己啓発本の類いで、少なくともたまたま目に入ることがなければ、自ら手に取る本ではなかった。近頃、書店で取り寄せた本を買うばかりで、このような出逢いは滅法減っていたが、やはりこれが刺激的で楽しいのである。

皆様も本と恋に落ちてみてはいかがだろうか。