薬学生のサイクルブログ

とある薬学生がのんびり気ままに書くブログ

過去問は解かない?~分析による過去問活用術~

これを読んでいる君たちは“過去問”という材料を手に入れたとき、それをどのように調理しますか?解くのもよし。解答を丸暗記するのもよし。調理法は十人十色。今回そんなお話。

 

 

始めに理を入れておく。これは大学定期試験の話で、入試のことではない。

そして、タイトルに”解かない”と書いてあるが、実は解く場合もある。あくまで興味を引いてもらうためのタイトルだ。解かないの後ろにある”?”がミソだ。ブラウザバックしないでおくれ。サブタイトルの分析による過去問活用術は本当だから。決して詐欺ではない。むしろこちらが主題だ。賢くない自分がつらつらと書けたものではないが、では始めよう。

 

1.収集

物が無ければ、分析もクソも無い。まず収集しよう。

目安はどのくらいか?最低でも過去3年分だ。

そしてこれは情報の塊なので多くて損はない。できる限り集めよう。

時期はいつか?できるだけ早めがいい。解くのではなく、分析するのがメインだから。ベストな時期は学期始まり。遅くても試験開始一ヶ月前には収集し終えておこう。

過去問には三種類あって

  1. 先生が配布してくれる過去問
  2. 先輩方が捨てずに残してくれた過去問
  3. 先輩方からの口伝

二つ目が一般的な過去問である。一つ目はとてもありがたいが、とても珍しい。また配布してくれたとしても一年分であることが多いので、分析するには情報量が少ない。そして三つ目は何かというと、試験問題が回収される科目の試験体験談だ。このような科目においては、この体験談が試験対策に大いに役立つ。

一つ目はともかく、その他の過去問は口を開いて待っているだけではやってこない。自ら収集しに行く必要がある。方法としては二種類があって、直接先輩方から貰う or 聞くか、先輩方と強いパイプをもっている同級生から貰うか。前者も社交辞令として何かしらのお礼をする必要があるが、後者は円滑な関係を築いていくためにも対価を払わねばいけない。絶対にだ。

先述の三つ目に関しては、先輩から直接聞いたほうがいい。これは同級生からだと、どうしても伝聞になるため、細かなニュアンスの受け取り方に差異が生じ、情報の確度が悪くなってしまうからだ。サークルなどで縦のつながりを築いておこう。

また、過去問収集というのは鉱脈を探し当てるようなもので、仮に過去問が入手できたとしてもその質は珠玉混合である。だから過去問収集のルートは複数確保しておくべきだ。そして手に入れた過去問は手広く回そう。詳細はあとで解説するが、その方が後々自分のためにもある。決して自分だけのものにしないように。

2.分析と対策

ここからが本題だ。

まず一年分をざっと見てみる。これだけで出題形式が判る。選択なのか、語句穴埋めなのか、それとも記述なのか。それだけでも有意義な情報である。

さらにもう一年分見てみる。問題の流用度などが判る。

このように一年分、さらに一年分と手持ちの過去問を遡っていき、先輩方からの体験談でバフをかけていくことで次のような傾向が見えてくる。

  1. 出題と形式がほぼ毎年同じ
  2. 出題傾向は同じだが、問題は若干変わる
  3. 出題傾向は同じだが、問題は全く異なる
  4. 過去問が出回らないだけで、毎年問題が同じ

一つ目は学生側からすると一番嬉しい科目だ。個人的にはそれでいいのか?と思うし、過去問丸暗記でいい成績を取る人が多いからあまり好きではないけど。このタイプの科目の対策は簡単で、とにかく問題を解きまくること。この際の注意としては、初めから問いに対する回答を丸暗記するのではなく、なぜ、どういった理屈でその答えが導き出せるかを頭の片隅に置いて解くことが重要。教授がご乱心でガラッと問題を変えることもあるだろうから、その時のリスクヘッジだ。また、過去問の丸暗記は本当に時間が無い時の奥の手としてギリギリまで秘めておいた方がいい。

二つ目は一番普遍的なタイプだ。人によってはものこの時点で過去問と同じじゃないといい始める。だが、こういった方々はあまり……その……ね......成績がいいとは言えない。このタイプの過去問は科目によって問題の変わり具合がまちまちで、分析がかなり重要になってくる。例えば、同じ分野を問うているのだが解答が異なる場合と同じ問題でも以前出題されたときは誤文だったものが正文になっている場合がある。前者であれば、なぜこのようになるのかを考えながら過去問を解いていくのが無難であるのだが、後者であれば過去問を解くだけでなく、誤文もどこが間違っているかを精査する必要がある。このようにこの手の過去問は科目により対策法がまちまちなので、分析によりどのように問題が変わっているかを見ていく必要がある。

三つ目は多くの人が過去問があてにならないと語ることが多い科目だ。だが、こういった科目ほど過去問分析が重要になってくる。なぜなら、いくら問題が異なるからといっても出題する分野というのはさほど変わらないからだ。またどういった形式であるかを押さえておくだけでもその後の試験対策に大きな違いが出る。例えば、記述問題がメインなのか五指択一問題がメインなのかによって対策は大きく異なる。前者であれば、他人に説明できる程度に知識を蓄える必要があるが、後者は選択肢の中に必ず答えがあるので、正誤が判別できる程度の知識を蓄えておけば問題ない。ゆえにこういった科目は、過去問をできる限り収集して、どのような分野がどのような形式で出題されているかを分析し、傾向をつかみ、それぞれに応じた対策を講じていく必要がある。

四つ目は滅多にお目にかかることはないが学生側するととても楽な科目である。基本的に問題用紙が回収される科目の過去問は出回らないものであるのだが、どういったわけだか極々稀に出回っていることがある。その中でも過去問と同じ科目というものがあって、大抵は先輩方からの口伝で「あの科目は過去問と同じだよ」と伝わってくる。この科目の対策法は、一つ目と同じく、とにかく問題を解きまくること。また、この系統の過去問で注意しなければならないことは、先生に過去問が出回っていることを知られてはならないことだ。理由は皆さんが分かるように出題傾向がガラッと変わる恐れがあるから。しっかりと勉強していれば、対応できるだろうが、できるだけ手間をかけずにいい成績を取りたいものだよね。だからこそ過去問の存在を先生に知られてはならない。

さて、問題が回収されて先輩方からの口伝が過去問となっている科目はどう対策するのか疑問に感じた方もいるだろう。このような科目は講義担当の先生が講義中や試験前に重要なところ教えてくれることが多々あり、それと先輩方からの話を絡め合わせた上で対策を講じる。ゆえにこのような科目は毎回の講義をしっかりと聞いておこう。

3.おわりに

ここまで私の稚拙で中身がちと薄い文章を読み進めた画面の前にいる君たちは、過去問の活用術について少しばかりは解ったと思う。そしてこれから実際に過去問を分析と試験の対策を始めていくのであろうと思うが、ここで一つ伝えておきたいことがある。

それは過去問を広く共有しておくことだ。

理由は単純で、一人では分析に限界がある上に、また他者の視点を取り入れることで、より良い試験対策を講じることができるからだ。試験勉強はサイクルロードレースのようなものと例えられることがあるが、その所以はこういった所から来ているのだろうなと個人的には考えている。だから、過去問を一人で抱えているのは勿体ない。広く共有しよう。分析力に優れる人には特に。

最後に賢くない私が書いた稚拙で中身の薄い文章が、皆様の役に立てば幸いだ。(おわり)