薬学生のサイクルブログ

とある薬学生がのんびり気ままに書くブログ

サンツアーAR RDのオーバーホール

 ごきげんよう。今回はサンツアーARのリア変速機をオーバーホールした時の作業レポート。それでは、はじまり、はじまり~

 

今回分解する変速機


f:id:Sanden_cyclist:20210628055608j:image
この変速機は1982年頃に製造された物で、ショートケージタイプのRD 4200というモデルである。そして元々私のクロモリロードに着いていた変速機でもある。

 サンツアーは現在存在しないメーカーであるが、この当時シマノと並ぶ自転車部品メーカーであった。グレードとしてはツーリング用として見ると上から3つ目、全体で見ると上から4つ目となる。現在のシマノコンポーネントに当てはめるなら105かティアグラぐらいになる。(当時のシマノのラインナップに当てはめるならデオーレか600(現アルテグラ)ぐらいかな)

いざ分解!

f:id:Sanden_cyclist:20210628055536j:image
油汚れが酷いのでまず軽く分解してアルカリ洗剤にドボン。
f:id:Sanden_cyclist:20210628055611j:image
目に入ったり皮膚に飛ぶと厄介なのでニトリル手袋と保護メガネを着けて行う。
なんだかんだ年に数回、保護メガネを必要とする機会に出会す。アルカリ洗剤から少し甘い匂いが漂う。なんか嗅いだことあるなぁと思ったら大腸内視鏡検査の時に飲まされる下剤の匂いとよく似ていた。そして一晩放置した。

f:id:Sanden_cyclist:20210628055545j:image
翌日気温が上がる前に洗剤へ浸けておいた部品を水洗いする。容器を覗いて見るとアルカリ洗剤はドス黒くなり、油分と思われる白い物体が浮かんでいた。

 容器から変速機を取り出し、浸けて置きで取れなかった汚れを水洗いしていく。ここでしっかりと洗剤を落とさないと金属が劣化するのでしっかりと水洗いする。水道の水圧が強く水しぶきが飛ぶ。水洗いが終わったら水気を取って分解していく。f:id:Sanden_cyclist:20210628055625j:image
既にこの時点でかなりピカピカである。

ボルト舐めかける

チェーンを張るためのバネとその近辺のパーツは洗浄前に分解済みである。残るガイドプーリーとケージを分解していくのであるが、ケージとボディーと繋ぐボルトが固着していて取れない。CRC吹いても動かない。仕舞いには六角部が少し舐めてくる。結局この部分は分解することを諦めた。
f:id:Sanden_cyclist:20210628055530j:image
だってここの六角部を完全に舐めてしまうとバネを固定できなくなって再組み立ても出来なるからね。時に諦めることも大事である。

 プーリーとケージは無事分解できたのだが、まだ汚れが落ちきってなかったようだ。結構油汚れで黒ずんでいる。無論パーツクリーナーで洗浄していく。
f:id:Sanden_cyclist:20210628055547j:image
プーリーのカバーは少しコンパウンドで磨いた。
f:id:Sanden_cyclist:20210628055550j:image
これで分解と洗浄が終わった。

次は再組み立てだ。

再組立て

f:id:Sanden_cyclist:20210628055605j:image
プーリーなど回転部にグリスを塗って分解と逆の要領で組み立てていく。
f:id:Sanden_cyclist:20210628055559j:image
最後にチェーンを張るバネのカバーとバネの可動を制限するネジを着けて終わりである。

 洗浄時に気づいたのだがこのカバーは以外なことにプラスチック製であった。またカタログにボディー部は軽量合金製と謳っているのにもかかわらず実際は、パンタ部がスチールであるなどカタログと異なる部分もあった。(参考にしたカタログが1985年度版だったからその間にマイナーチェンジしている可能性も否めないが...)

f:id:Sanden_cyclist:20210628055602j:image
ほとんどスチール製なのが大きいかもしれないが、油汚れを落とすだけでかなりピカピカになるものである。(おしまい)