今週のお題「自由研究」
はじめに
皆さん、自転車で走る際のルート選定で気を付けていることは何だろうか。
坂のキツさ、あるいは補給地点のポイントだろうか。
恐らく、多くの人が重要視しているのは交通量の多さだと思う。
交通量が増えるとそれだけ事故のリスクが高まるのだから。
そこでお勧めしたいのが、旧街道筋だ。
東海道とか中山道とかそういうやつ。
旧街道を自転車で走るメリットってのはいくつかあって
- ゾーン30になっているなど、制限速度が低いので車に抜かれる際の相対速度が下がる
- 近くにバイパスとして整備された幹線道路がある場合が多いので交通量が少ない。
- 元々歩いて通ることを想定されてる道なので、アップダウンが少なかったり、急峻な坂道に出くわすことが少ない。要は無理のないルーティング
世の中いいこともあれば悪いこともあるように、デメリットもいくつかある。
- 信号のない見通しの悪い交差点が散見されるので出会い頭の衝突が生じやすい。(筆者も何度か見通しの悪い角から出てきた車に当たりそうになった。)
- 市街地の中心部だと幹線道路であることが多いため上記のメリットが享受できない
- そうでない場合は、路面状況よろしくないことも…(特に山間部)
自転車の速度域的にはメリットが上回ることが多いだろうと思う。
ここでは自分なりに研究した地図や道路から読み取って旧街道筋かどうかを判別する方法をご紹介していこう。
ぜひルート選定にご活用いただければ幸いだ。
Part1.水準点を見つける
これは地図を使って見つけ出す作業だ。
国土地理院作成の地図には高さを表す地図記号として三角点と水準点がある。そのうち今回探すのは水準点だ。
なぜ水準点だけかというと、それらの役割と設置場所が異なるからだ。
- 水準点
その地域における高さの基準となる点
全国の国道や県道等に沿って約2Kmごとに設置される - 三角点
三角測量を行う際に経度、緯度、標高の基準となる点
水平位置を求める際に用いられる
設置場所は全国津々浦々
このように水準点と三角点では役割と設置場所が異なる訳だが、水準点が旧街道筋を見分けるのになぜ使えるかというと、明治期に設置された関係でその多くが旧街道筋に存在していることが多いからだ。
では実際に見てみよう。
この様に三角点は点在しているが、水準点は道路沿いにしか存在していない。
さてこの地図中には伊勢街道が示されているのだが、皆様はわかるだろうか?
水準点を探してその道筋が判れば大体掴めると思う。
伊勢街道がどこか判りやすいように線を引くとこうなる。
街道に沿って水準点が設置されていることが判る。
ゆえに地図上から水準点を見つけ出すことは街道筋を見つけ出す上で大きな手掛かりとなる。
Part2.道路の形状から見分ける
最もベタな手段であるが、道路の形状から見分ける。
地図でも判る場合もあるが、区割りによる特徴なので、これは実走したり、ストリートビューを用いたりする方が判りやすい場合が多い。
見られる特徴としては
- 間口が狭く奥行きが狭い区割りが多く見られる。
- 隣の家との接し方が段々になっている(城下町付近に多い)
- 交差点等なく道なりだが、クランク状の道路となっている
(これも城下町付近に多い)
以上三点がある。
Part3.道標を探す
実走した際に大きな手掛かりとなるのがこれだ。
ルート選定の下調べであれば、Part1Part2で掴んだ情報をもとにストリートビューで確認するといいだろう。
古くからある街道筋であれば、このような道標が点在している。
また伊勢街道や東海道のようなメジャーな街道筋ならば、卒塔婆チックなこんなのも見える。
これがあれば、街道筋であることは間違いない。
おわりに
Part1~3の三部構成でお送りしてきたが、慣れるまではなかなか難しいかもしれない。
筆者もそうであった。
ここが街道筋だ!と思っていても実は違ったというのもよくある。
繰り返し地図を眺めたり、実際に走って見たりすることで確認に確度は上がっていく。
正直言って慣れだ。
ある程度慣れてくると幹線道路からの分岐の仕方やその後の経路次第では
「ははぁ~ん、これ旧道か街道筋やな」
とぱっと見で分かるようになってくる。
近頃はGoogleマップにも表示されることが増えてきた。
皆様もちょっとした空き時間に地図を眺めてみてはいかがだろうか。(おしまい)